(1) 特長と機能
北部ブロックは、松川町、高森町、喬木村、豊丘村、大鹿村の5町村で構成され、ブロック内の人口規模は4万人弱で交通インフラも発達しており、リニアや三遠南信自動車道が開通すれば物流や人流の盛んなエリアになると考えられます。
また、河岸段丘などの自然を活かした体験プログラムや山岳観光、多様なライフスタイルの実現などが期待できるエリアでもあります。
(2) まちづくりの基本的な考え方(エリアイメージ)
北部ブロックでは、まちづくりの基本的な考え方を「住んで楽しい・遊んで楽しいまちづくり」とし、検討チームでは、若手職員や地域の中学生、高校生、大学生、社会人の方たちなど、30年後の北部地域を担っていくことになる若い世代の皆さんを中心に意見を聞き、出されたアイディアを分野別にまとめました。
◆つながり・移住
- 国道やJRの沿線、リニア駅に近接した交通インフラが集積したエリアでは、企業の誘致や空き家等を活用したレンタルオフィスなどの整備が考えられます。
- 河岸段丘を活かした眺望の良いエリアは、ゲストハウスや情報インフラの整ったサテライトオフィス、農地付き住宅等を整備することにより、新たな働き方、暮らし方の提案ができると考えられます。
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◆暮らし・仕事
- 果樹栽培を始めとする農業支援、里山整備による林業振興等、豊かな自然の中で働くことができる環境整備が必要と考えます。
- 子どもの健やかな成長を支援するための居場所づくり、多世代・多文化交流施設、自然体験施設の整備や買い物環境の充実など、暮らしの質の向上につながる取り組みも重要です。
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◆観光・レジャー
- この地域を訪れる人たちが旅を満喫し、また訪れたいと感じられる観光地域づくりと、この地域に住む人たちが暮らしの中にゆとりを見出し、地域を楽しめるような生活環境を整えていきます。
- 地域を縦断する天竜川でのリバースポーツや堤防を周遊する広域サイクリングコース、アスレチック、キャンプなどのアクティビティ、農業体験や南アルプス等での山岳観光、眺望の良い場所へのビュースポット整備などが挙げられます。
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◆学び
- 子どもが地域で学び、就職できるための高等教育機関の誘致に取り組み、圏域外の学生にとっても学びの選択肢が増え、つながりが生まれていく地域づくりを目指します。
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◆健康・福祉
- 子どもから高齢者まで、地域に暮らす皆さんのニーズに合った医療を提供し、将来にわたり地域で支える福祉環境の整備を進めていく必要があります。
- 健康づくりのためのスポーツ施設や、自然に親しむハイキングやサイクリング等の環境整備、リフレッシュするための保養施設等の充実などが挙げられます。
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◆地域の財産
- 日本有数の河岸段丘である伊那谷の南部に位置するこの地域には、豊かな自然環境や農山村風景、伝統芸能や伝統行事等の固有の地域資源があります。これらは地域の宝であり、貴重な財産として守り伝え、30年後の未来にも引き継いでいかなくてはなりません。
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◆道路
- リニア駅や上伊那地域、三遠南信自動車道へのアクセス向上のための道路ネットワーク整備のほか、リニア駅を中心とした広域交通の拠点整備も重要な課題です。